長崎県のアメダス観測所

気象官署が1箇所(長崎地方気象台)、航空気象観測所が6箇所(美津島・石田・小値賀・頭ヶ島・大村・上大津)あります。

面積の割に長い海岸線を持つことで知られる県です。また、数々の離島も抱えています。観測所の数は それほど多くないのですが、全部を回るのは時間が掛かりました。

訪問は、2012年から2014年にかけてです。


《地域気象観測所・地域雨量観測所》

— 鰐浦アメダス —鰐浦(わにうら)[壱岐・対馬 | 上対馬]
対馬市上対馬町鰐浦(つしまし かみつしまちょう わにうら)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
対馬の北端にあたる地区です。海を見下ろす丘の上に据え付けてあります。周りは樹木が茂っているので、見晴らしは あまり利きません(写真も、こんな感じで撮らざるを得ませんでした)。海からの風を まともに受けています。
離島のため、敷地内に蓄電池装置が設置してあります。かつて管理していた「厳原測候所」の表示が残っていました。
— 芦辺アメダス —芦辺(あしべ)[壱岐・対馬 | 壱岐]
壱岐市芦辺町国分東触(いきし あしべちょう こくぶ ひがしふれ)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
壱岐島の ちょうど真ん中あたりの地区になります。近付くときには坂を登って行く感じで、地図を見ても周りより高くなっている土地なのですが、特に眺めが良い所というわけではありませんでした。
上の鰐浦の観測所と同じく、蓄電池装置が設置してあります。また、ここにも「厳原測候所」の表示が残されていました。
— 松浦アメダス —松浦(まつうら)[北部 | 平戸・松浦地区]
松浦市志佐町里免(まつうらし しさちょう さとめん)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
本土側の北岸の街です。住宅街の一角に観測所が設けられています。西に向かって緩やかに傾斜が低くなっている土地で、西から北方向の見晴らしが利きます。フェンスに囲まれた露場は三角形になっています。松浦の観測所は何度か移転しており、現在地に落ち着いたのは2011年のようです。
— 有川アメダス —有川(ありかわ)[五島 | 上五島]
南松浦郡新上五島町有川郷(みなみまつうらぐん しんかみごとうちょう ありかわごう)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
五島列島の主要な五つの島の中で一番北東側にある、中通島(なかどおりじま)の観測所です。有川の港から それほど離れていない所です。町の中でも、少し高台になっている地区に設置してあります。ここも離島のため、蓄電池装置が備え付けられています。
— 大瀬戸アメダス —大瀬戸(おおせと)[南部 | 西彼杵半島]
西海市大瀬戸町瀬戸板浦郷(さいかいし おおせとちょう せといたのうらごう)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
西彼杵半島(にしそのぎはんとう)の西海岸で、西海市の市役所を抱える町です。町の中心部から少し離れた海岸沿いの山の中に観測所があります。ここが九州最西端のアメダス観測所になります。
— 長浦岳アメダス —長浦岳(ながうらだけ)[南部 | 長崎地区]
長崎市神浦北大中尾町(ながさきし こうのうらきた おおなかおまち)
観測要素:降水量
西彼杵半島最高峰の長浦岳(561m)の山頂からは外れた場所で、海抜510mの地点です。アメダスの説明書きがフェンスに取り付けられています。データ変換装置の箱に、「肘折地域気象観測所」の表示がうっすら見えました。山形県から配置転換されたようです。
長浦岳では1982年7月23日の豪雨の際に153mmの一時間降水量を記録しました(歴代1位タイ)。ただし、当時は今とは別の場所に観測所があったようです。
— 諫早アメダス —諫早(いさはや)[南部 | 諫早・大村地区]
諫早市馬渡町(いさはやし まわたりまち)
観測要素:降水量
長崎・西彼杵・島原の三つの半島の付け根に当たる街です。住宅や学校などが建ち並ぶ地区の一角に観測所があります。2009年に現在の場所に移転してきたとのことで、フェンスや装置や露場のシートは 比較的 新しい物に見えます。
— 島原アメダス —島原(しまばら)[南部 | 島原半島]
島原市平成町(しまばらし へいせいまち)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
島原半島の東海岸の街で、海の近くに観測所が設置されています。周辺には樹が繁っています。付近は、雲仙普賢岳の平成の噴火で起きた土石流の土砂などを利用して埋め立てを行った地区のようです。
— 口之津アメダス —口之津(くちのつ)[南部 | 島原半島]
南島原市口之津町丁(みなみしまばらし くちのつちょう てい)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
島原半島の南端の町です。海岸沿いから少し高台に登った地区に観測所が設けられていて、南方向の見晴らしが良くなっています。周辺は農地や住宅などが広がっています。
— 野母崎アメダス(1) —野母崎(のもざき)[南部 | 長崎地区]
長崎市野母町(ながさきし のもまち)
観測要素:降水量,気温,風向・風速,日照時間
長崎半島の突端、野母崎の観測所です。風向風速計と日照計が、通常のアメダス観測所よりも立派な柱の上に設置されています。支線が設けられている柱は珍しいです。柱の根元には、コンクリート造の小屋のような建物があります。
— 野母崎アメダス(2) —そして、温度計と雨量計は、風向風速計・日照計とは別の場所に設置されています。こうなっている理由や経緯については、良く分かりませんでした。元々は気象通報所などの施設があったのかもしれません。露場(?)はコンクリートが敷かれていますが、周辺は樹木が生い茂る環境となっています。

《特別地域気象観測所》

— 厳原特別地域気象観測所 —厳原(いづはら)[壱岐・対馬 | 下対馬]
対馬市厳原町東里(つしまし いづはらまち ひがしざと)
ラジオ気象通報で読み上げられる観測所の一つです。南北に伸びる対馬の南の方の街です。港のすぐ傍に観測所があります。建物の南側に草の敷かれた露場があり、屋上の塔に風向風速計、屋上の隅に回転式の日照計が確認できました。
— 平戸特別地域気象観測所 —平戸(ひらど)[北部 | 平戸・松浦地区]
平戸市岩の上町(ひらどし いわのうえちょう)
平戸島の北東部、本土側から橋で渡ってすぐのところです。市役所のある地区からそれほど離れていない場所になります。周辺は住宅街となっていますが、建物の数は多くありません。ウィンドプロファイラの観測設備が併設されています。
— 佐世保特別地域気象観測所 —佐世保(させぼ)[北部 | 佐世保・東彼地区]
佐世保市干尽町(させぼし ひづくしまち)
佐世保の中心市街地で、港に近い所に観測所があります。建物屋上の柱に風向風速計、その横の櫓の上に回転式日照計が見えます。建物の南西側にフェンスで囲って露場が設けられています。
— 雲仙岳観測所風向風速計 —雲仙岳(うんぜんだけ)[南部 | 島原半島]
雲仙市小浜町雲仙(うんぜんし おばまちょう うんぜん)
雲仙の温泉街に程近い絹笠山(879m)という山の山頂付近に風向風速計があります。元々は この山頂に測候所が丸ごとあったそうです。1977年に麓の温泉街へ観測場所を移転しましたが、2002年になって風向風速計だけが また山の上に戻されました。普通の地域気象観測所よりも尾翼の面積が大きい装置が取り付けられています。
— 雲仙岳観測所遠景 —温泉街の中にある観測所を、その山頂から見晴らすことが出来ます。こちらの海抜は678mとのことです。2005年に測候所から特別地域気象観測所へ移行し無人となりました。芝生の敷かれた露場に各種の測器が設置されています。近くまで見に行きましたが、追尾式の日照計が、建物の上などではなく、露場の地面のところに設置されていたのは驚きました。
ちなみに、絹笠山山頂の案内板に「1977(昭和52)年に無人のアメダス観測所に移行し、現在は雲仙岳特別地域気象観測所の一部として風向・風速を観測しています。」とだけ書いてありましたが、経緯は 上述の通り もう少し複雑のようです。
— 福江特別地域気象観測所 —福江(ふくえ)[五島 | 下五島]
五島市木場町(ごとうし こばちょう)
ラジオ気象通報で読み上げられる観測所の一つです。合併前は福江市だった地区で、五島の中心都市と言って良いかと思います。海岸から2kmほどの距離ですが、土地の傾斜がなだらかなので海抜は25mしかありません。見に行った時は測候所の建物が残されており、屋上に風向風速計と追尾式の日照計が設置してありました。

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