東京都のアメダス観測所

気象官署が4箇所(東京管区気象台東京航空地方気象台父島気象観測所南鳥島気象観測所)、航空気象観測所が5箇所(大島北ノ山・新島・神津島・三宅坪田・八重見ヶ原)あります。

東側の大都会、西側の自然、太平洋に点在する離島と、様々な顔を持っています。

訪問は、2013年から2015年にかけてです。


《地域気象観測所・地域雨量観測所》

— 小河内アメダス —小河内(おごうち)[東京地方 | 多摩西部]
西多摩郡奥多摩町原(にしたまぐん おくたままち はら)
観測要素:降水量,風向・風速,気温,日照時間
古くは小河内村(おごうちむら)だったところですが、現在、村の人達が住んでいた地区のほとんどは奥多摩湖の底に沈んでいます。気象庁でない機関の気象観測装置も併設されています。すぐ傍が丘のように盛り上がっている地形です。
— 小沢アメダス —小沢(おざわ)[東京地方 | 多摩西部]
西多摩郡檜原村小沢(にしたまぐん ひのはらむら おざわ)
観測要素:降水量
多摩地方の山深いところで、東京都の本土側では唯一の村になっています。北秋川の流れに沿って広がる、谷間の地区の集落の一角に観測所があります。雨量計はコンクリート柱で嵩上げされています。
— 青梅アメダス —青梅(おうめ)[東京地方 | 多摩西部]
青梅市新町(おうめし しんまち)
観測要素:降水量,風向・風速,気温,日照時間
青梅の市街地の中に観測所があります。周囲は農業関係・畜産関係の設備です。南方向は広い空間がありますが、北方向は背の高い樹の茂みが迫っています。
— 練馬アメダス —練馬(ねりま)[東京地方 | 23区西部]
練馬区石神井台(ねりまく しゃくじいだい)
観測要素:降水量,風向・風速,気温,日照時間
23区の内陸部を受け持つ観測所ですが、環境の悪化により、2012年に6kmほど東に離れた所から移転してきました。コンクリートで土台を作って装置が設置されています。一般の人が目にすることを意識してか、各測器の名称を書いた看板が柵の中にあります。露場はシートではなく、草が敷かれています。
— 八王子アメダス —八王子(はちおうじ)[東京地方 | 多摩南部]
八王子市元本郷町(はちおうじし もとほんごうちょう)
観測要素:降水量,風向・風速,気温,日照時間
市内を流れる浅川の畔です。写真手前の柵で囲まれた露場に温度計と雨量計があり、風向風速計と日照計は庁舎の屋上です。露場の方は草が敷かれています。気象庁の物とは別の気象観測装置が、露場にも屋上にも併設されています。
— 府中アメダス(東京) —府中(ふちゅう)[東京地方 | 多摩北部]
府中市幸町(ふちゅうし さいわいちょう)
観測要素:降水量,風向・風速,気温,日照時間
府中市の真ん中辺りの地区になります。観測所の周囲には建物も見られますが、比較的広い空間が確保されています。露場は背の低いフェンスに囲まれており、中は草地となっています。近くに百葉箱のようなものも置いてありました。
— 世田谷アメダス —世田谷(せたがや)[東京地方 | 23区西部]
世田谷区岡本(せたがやく おかもと)
観測要素:降水量
23区の南西側に当たり、神奈川県との県境にも近いところです。厳重にフェンスに囲まれて雨量計が設置してあります。隣の公園の敷地の続きのようです。アメダスの観測所であることを示す看板や表示が何も取り付けられていません。
— 江戸川臨海アメダス —江戸川臨海(えどがわりんかい)[東京地方 | 23区東部]
江戸川区臨海町(えどがわく りんかいちょう)
観測要素:降水量,風向・風速,気温,日照時間
23区の東の端で、その名の通り、海に近い場所にあります。露場は、フェンスの周りの草地が そのまま中まで続いている感じになっています。2009年に新木場(しんきば)から移設されました。周囲は野鳥観察のために整備されているのですが、風向風速計の尾翼に鳥が留まった光景は初めて見ました(動作には支障ない様子でした)。
— 大島泉津アメダス —大島泉津(おおしませんづ)[伊豆諸島北部 | 大島]
大島町泉津字不重(おおしままち せんづ あざ ふじゅう)
観測要素:降水量
伊豆大島の北東側の地区です。2013年の台風26号による大雨を受けて設置された臨時観測所です(2013年11月8日 観測開始)。簡単にロープで囲って雨量計やデータ変換装置が設置されています。融雪装置の無い普通式の雨量計です。小さな太陽光発電のパネルもありました。
— 大島差木地アメダス —大島差木地(おおしまさしきじ)[伊豆諸島北部 | 大島]
大島町差木地(おおしままち さしきじ)
観測要素:降水量
上の大島泉津と同じく、2013年の台風26号による大雨の後に置かれた臨時観測所です。こちらは、島の南岸の地区になります。設置方法や機器の構成は、泉津の物とほとんど変わりません。こちらの雨量計は本体が白くなっています。
— 利島アメダス —利島(としま)[伊豆諸島北部 | 新島]
利島村(としまむら)
観測要素:降水量
大島と新島の間に浮かぶ島です。島の北側の集落の中でも高いところに観測所があります(海抜100m)。天気が良ければ、大島や伊豆半島、さらには富士山も望めます。観測網強化のため2014年に新設されました。
— 青ヶ島アメダス —青ヶ島(あおがしま)[伊豆諸島南部 | 八丈島]
青ヶ島村(あおがしまむら)
観測要素:降水量
八丈島の南60kmほどの所に浮かぶ島です。島の北岸に近い所ですが、独特な地形のため観測所の海抜は272mもあります。火山観測局の施設に、雨量計とデータ変換装置が併設された格好になっています(写真右の奥の方に雨量計が見えます)。観測網強化のため2014年に新設されました。
— 母島アメダス —母島(ははじま)[小笠原諸島]
小笠原村母島字評議平(おがさわらむら ははじま あざ ひょうぎだいら)
観測要素:降水量
小笠原諸島は母島の雨量観測所です。2007年に観測開始した、比較的新しい設備です。港のある集落から、海岸に沿って少し登って行った高台に設置されています(海抜32m)。南国のため、融雪装置の無い普通式の雨量計が採用されています。

《特別地域気象観測所》

— 大島特別地域気象観測所 —大島(おおしま)[伊豆諸島北部 | 大島]
大島町元町字家の上(おおしままち もとまち あざ いえのうえ)
ラジオ気象通報で読み上げられる観測所の一つです。伊豆大島西岸の町役場を抱える地区の一角に観測所があります。海の方から坂道をしばらく登って行った先にあり、海抜は74mとのことです。途中の道端には、「大島測候所」と書かれた案内板が残っていました。
建物の南側にフェンスで囲まれた露場があり、写真右側に写っている塔の上に風向風速計と回転式日照計が設置されています。
— 三宅島特別地域気象観測所 —三宅島(みやけじま)[伊豆諸島南部 | 三宅島]
三宅村神着(みやけむら かみつき)
三宅島の北岸の地区に観測所があります。海岸からの距離はそんなに無いはずですが、海を見晴らすことはできませんでした。コンクリート柱の上に風向風速計と回転式日照計が見えます。見に行った時は何やら工事中で、露場も土が剥き出しになっていました。写真奥に見える建物は、旧測候所のものでしょうか。
特別地域気象観測所のある地点ですが、気温予報は発表されていません。
— 八丈島観測所全景 —八丈島(はちじょうじま)[伊豆諸島南部 | 八丈島]
八丈町大賀郷(はちじょうまち おおかごう)
ラジオ気象通報で読み上げられる観測所の一つです。八丈富士の麓にあります。元々は高層気象観測施設として独立していましたが、2003年に測候所が移転してきて統合され、2009年に無人となりました。立派な建物が残されていて、その東側に露場があります(写真右)。ゾンデを打ち上げる施設やウィンドプロファイラの観測設備も見られます。「八丈島測候所」の表札(?)が そのままになっていました。
次に示すように、測風塔が別の場所にあるのですが、こちらの建物の屋上の塔にも風向風速計があります。予備として設置してあるのでしょうか。
— 八丈島観測所測風塔 —測候所が元あった場所には測風塔が建てられており、風向風速計と回転式日照計はこちらの塔の上に設置してあります。上の写真の施設から2kmほど離れた場所です。こちらは「八丈島測候所測風塔」の表示が残っていました。
ここで特筆すべきは、それらの二つの施設の間に八丈島空港があることです。空港には航空気象観測所があり、アメダスでは観測所名「八重見ヶ原」として三要素のデータが収集されています。測器が複数の場所に分けて設置されている観測所は他にもいくつかありますが、間に別の観測所が挟まっているのは八丈島が唯一の例です。

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